『66の名言による世界史教程』(朝日新聞社)

co_19900620

 

著者: 植島啓司・ 岸田理生・ 南伸坊・ 四方田犬彦・ 渡部直己
朝日新聞社
1990年6月20日 第1刷発行

 

目次

むかしむかし・・・・・ 四方田犬彦

怪力乱神を語らず 孔子(植島啓司)★
我日ニ我身ヲ三省ス 孔子(渡部直己)
端倪すべからざる 荘子(南伸坊)
無用の用 荘子(南伸坊)
愚公、山を移す 列子(四方田犬彦)
鶏鳴狗盗 孟嘗君(南伸坊)
羹に懲りて膾を吹く 屈原(四方田犬彦)
人ノ性ハ悪ナリ ソノ善ナルハ偽ナリ 荀子(渡部直己)
「エウレカ!」 アルキメデス(南伸坊)
一敗地に塗れる 史記(南伸坊)
賽は投げられた カエサル(植島啓司)★
新しき酒は新しき革袋に盛れ 聖書(渡部直己)
読書百遍義自ら見わる 魏略(渡部直己)
折箭の戒め 北史・吐谷渾伝(南伸坊)
汝の望むところをなせ フランソワ・ラブレー(植島啓司)★
聖ジョージにお灯明を。龍にもお灯明を。 モンテーニュ(四方田犬彦)
パンさえあれば、たいていの悲しみは堪えられる。 セルバンテス(植島啓司)★
満開の桜の下で、私たちはこれから楽しく楽しく暮らします。 シェークスピア(岸田理生)
きれいは汚い、汚いはきれい シェークスピア(渡部直己)
クレオパトラの鼻、それがもう少し低かったら・・・・・ パスカル(南伸坊)
人間は、お互い同士、狼である。 ホッブズ(岸田理生)
万婦みな小町なり 芭蕉(植島啓司)★
すべての道はローマに通ず ラ・フォンテーヌ(南伸坊)
わが亡き後に洪水きたれ ルイ一五世(植島啓司)★
自然に還れ ジャン=ジャック・ルソー(渡部直己)
わたしは幽霊を信じません・・・・・。だけど幽霊がこわい。 デファン侯爵夫人(四方田犬彦)
戦いは最後の五分間にあり ナポレオン(植島啓司)★
余の辞書に不可能という語はない ナポレオン(南伸坊)
美は過剰にあり ウィリアム・ブレイク(植島啓司)★
理性の眠りは怪物を産む ゴヤ(四方田犬彦)
犬も歩けば棒にあたる 江戸時代以来のことわざ(植島啓司)★
私の愛人は人類である ヘルダーリン(南伸坊)
人民の人民による人民のための政治 リンカン(渡部直己)
四〇歳を過ぎた男は、自分の顔に責任をもたねばならない。 リンカン(南伸坊)
自然が彼女たちを魔女にした ジュール・ミシュレ(岸田理生)
馬鹿とは結論づけたがることだ フローベール(渡部直己)
正しく見るには二度見よ。美しく見るには一度しか見るな。 アミエル(渡部直己)
私はすべての書物を読んでしまった マラルメ(四方田犬彦)
道徳的現象などというものはまったく存在しない。むしろ、ただ現象の道徳的解釈のみが存在する。 ニーチェ(渡部直己)
友には美貌を オスカー・ワイルド(四方田犬彦)
男はみな愛する者を殺すのだ オスカー・ワイルド(岸田理生)
天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らずと云へり 福沢諭吉(渡部直己)
神、肉類を恵み給う。されど悪魔、料理人をつかわしむ。 トルストイ(岸田理生)
生きることは人生を定義することに勝る ウィリアム・ジェイムス(植島啓司)★
人生は生きるよりも空想するほうがましだ。 プルースト(植島啓司)★
青年を殺すのはたいがい青年です 魯迅(四方田犬彦)
レディかどうかは、手を見ればわかるわ。 『風と共に去りぬ』(四方田犬彦)
労働は自由への道 アウシュヴィッツ強制収容所の標語(四方田犬彦)
死の日まで天を仰ぎ 一点の羞じらいなきを 尹東柱(四方田犬彦)
語りえぬことについては、沈黙しなくてはならない。 ヴィトゲンシュタイン(渡部直己)
一番賢明なのは、事情がそれに価する時にだけ狂人になることだ。 ジャン・コクトー(植島啓司)★
女はみんなファシストが好き シルヴィア・プラス(四方田犬彦)
墓場はいちばん安上がりの宿屋である ラングストン・ヒューズ(岸田理生)
そして祭はつづく ジャック・プレヴェール(岸田理生)
綺麗なバラにはトゲがある ことわざ(南伸坊)
いのちをたもつのも、いのちをほろぼすのも・・・・・ 香山滋(岸田理生)
指輪をなくしても指はある イギリスのことわざ(南伸坊)
人生は何物にも価しない―。だが、人生に価する何物も存しない。 アンドレ・マルロー(岸田理生)
ファシズムとは、何かを言わせまいとするものでなく、何かを強制的に言わせるものだ。 ロラン・バルト(渡部直己)
人類が最後にかかる、一番重い病気は「希望」という病気である。 寺山修司(岸田理生)
殺人の観念は、しばし海の観念を呼び起こす。 ジャン・ジュネ(岸田理生)
脚本は人生によって汚されたのです ジョセフ・マンキウィッツ(岸田理生)
人生はどこかしら、ダンスをしているときに似ている。 ジャン・リュック・ゴダール(岸田理生)
あのすべての寂しい人たちは、いったいどこから来たのか? ビートルズ(植島啓司)★
新聞を読んで「ああ、すごいことだったんだな」と改めて実感しました。 大渕絹子(渡部直己)

装幀: 多田進
コラージュ: 吉田章二
初出:『週刊朝日百科 世界の歴史』一~六五号「箴言のしんげん」を改題


関連キーワード