2012年8月30日
週刊文春 2012年9月6日号
文春図書館 活字まわり「世界の全ての記憶」 植島啓司 19
「春三月縊り残され花に舞ふ」大杉栄 近くのビデオ屋まで蜷川実花監督『さくらん』(二〇〇七年)を探しにいって、なんとなく吉田喜重監督『エロス+虐殺』(一九七〇年)を借りて帰ってきてしまった。よくあることで、だいたい目的としたものより、たまたま偶然その近くにあったものを選んだほうが役立つことが多い。かつて学生時代に見たはずなのに、ほとんど記憶に残っていない。ただ、タイトルは秀逸だし、…..(つづく)