2013 BRUTUS 5/1号

BRUTUS 5月1日号(No. 753)

特集=歩こう。
株式会社マガジンハウス
2013年5月1日発行(4月15日発売)


P44- 48
聖地を歩く。
植島啓司 石川直樹
熊野/ 和歌山県・三重県

国内外の聖地を巡り、改めて熊野を特別な聖地だと感じている宗教人類学者の植島啓司さんと、半島をテーマに全国を行脚するなかで、紀伊半島も幾度となく訪れている写真家の石川直樹さん。以前から親交があり、かの地にも縁のある2人が、熊野三山に代表される”表の熊野”を入口に、自然信仰の息づく裏熊野の奥深くへと分け入った。

「熊野三山に来たのは、十数年ぶりですね。」熊野の先生といえる植島啓司さんが、いきなりそんなことを言うものだから驚いた。「僕も久々に来ましたよ」と石川直樹さんも相槌を打つ。熊野といえば真っ先に熊野三山が思い浮かぶけれど、それは広大な熊野のほんの一部でしかないようだ。
「熊野は真言宗総本山の高野山のように、1ヵ所にに集中した聖地ではありません。いろんなところに祀られていた神様が合祀されて、速玉大社や本宮大社になったという経緯があります。しかもしれは中世以降の出来事で…..(つづく)


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